木造大黒天像(もくぞうだいこくてんぞう)
大黒天は平安時代に密教の伝来とともに伝わり、当初は天部と言われる仏教の守護神として信仰されましたが、神道の神である大国主命=「大国様」と習合して、室町時代以降は豊穣の神「大黒様」として信仰を集めるようになりました。
江戸時代になると、微笑んで米俵に乗り、打ち出の小槌を持つという、現在よく知られる姿となり、現在も恵比寿、毘沙門天、弁財天、布袋、福禄寿、寿老人とともに七福神としてお馴染みの神様です。
この像は、土岐町鶴城の秋葉組集会所の脇にあるお堂に置かれているもので、神箆村下町の有志の発願によって造立されたものといわれます。寄木造りの彩色像で、台座(米俵)を含む高さは約240センチメートル、像本体の高さは約180センチメートルもある重量感あふれる大作です。
像の内部と台座(米俵)に記された文字から、安政5年(1858年)に池田(現・多治見市)の名工、野村杢頭国筠(野村作十郎)によって造立されたことが知られます。また、昭和初期頃の資料には「日本最大ノ木彫」の記載が確認でき、他に類を見ない大形の大黒天像として知られていたことがうかがわれます。
財徳の神として現在も信仰が厚く、毎年1月上旬の祭礼には近隣在郷から多くの人々が訪れて賑わいを見せます。
- 指定番号
- 瑞有27
- 指定年月日
- 昭和54年7月25日
- 指定の別
- 市指定文化財
- 種別
- 有形文化財
- 類別
- 彫刻
- 時代・年代
- 安政5年(1858年)
- 員数他
- 1躯
- 所在地
- 瑞浪市土岐町2452番地の1
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 秋葉組
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