板絵著色桜堂絵馬(いたえちゃくしょくさくらどうえま)
絵馬は、奉納者が祈願成就などのため神社仏閣に馬を献上する代わりに馬の絵を代用して収めたのが始まりといわれ、平安時代の終わり頃に公家や武家の間に起こり、次第に大作や名画が納められるようになりました。
櫻堂薬師の本堂には、江戸時代から明治時代にかけて奉納された絵馬が7面残されており、そのうち以下の4面が岐阜県の文化財に指定されています。
なお絵馬とは、祈願や報謝のために神社・仏閣などに納められる絵画で、板に馬などの絵が描かれることが一般的ですが、その他にも様々な絵がみられます。
慶長絵馬
慶長絵馬は左向きの繋馬を描いたもので、岩村藩主松平家乗が慶長18年(1613年)に奉納したものです。絵の作者は不明ですが、背面には「武運長久 家門為安全 寄進之」の文字が確認できます。縦111センチメートル、横137センチメートルです。
寛文絵馬
寛文絵馬は右向きの繋馬を描いた絵馬で、岩村藩主丹羽氏純が寛文11年(1671年)に奉納したものです。絵の作者は不明で、後世に補修されている可能性があります。縦101センチメートル、横146センチメートルです。
亨保絵馬
享保絵馬は当時の風俗を描いた絵馬で、名古屋の薬問屋宮崎氏が亨保3年(1718年)に奉納したものです。絵の作者は不明で、平成23年(2011年)に修復がなされています。縦101センチメートル、横146センチメートルです。
文政絵馬
文政絵馬は松に鷹を描いた絵馬で、岩村藩主松平乗保が奉納したものです。松平乗保の官位が従四位下に昇格したのが文化3年(1806年)であることから、文政年間の奉納と推測されてこの名称で呼ばれていますが、平成23年の修復の際に文化5年(1808年)の文字が確認されました。狩野洞琳(由信)の作と伝えられ、縦98センチメートル、横120センチメートルです。
- 指定番号
- 岐重20
- 指定年月日
- 昭和31年11月14日
- 指定の別
- 県指定文化財
- 種別
- 重要有形文化財
- 類別
- 絵画
- 時代・年代
- 江戸時代
- 員数他
- 4面
- 所在地
- 瑞浪市土岐町5728番地
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 桜堂薬師
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