土岐双生竹(ときそうせいちく)
双生竹は、イネ科に属するヤダケ(矢竹)の変種で、高さ3メートル程に成長します。地下根茎にある二節が非常に近接し、そこから生える稈(茎)の太さや節間が揃っている様子が「双子の竹」のように見えることからこの名が付けられました。
その名のとおり矢の材料に適し、かつては武士の間で珍重されて屋敷の周囲などに植えられたといわれ、当地方では「神箆(こうの)」「一鎌箆竹(ひとかまのだけ)」「箆竹(へらたけ)」などとも呼ばれています。
『平家物語』には、仁平3年(1153年)に「鵺」と呼ばれる妖怪が宮中を悩ませていたところ、源頼政が弓でこれを射って退治したとの説話が記されていますが、伝承ではこの時に用いた矢は、自領の土岐双生竹で作ったものであったとされています。また土岐地区の東部は、江戸時代まで土岐郡神箆村と呼ばれていましたが、この地名も双生竹によるものと伝えられています。
ヤダケは本州、四国、九州に分布し、岐阜県内でも各所に分布していますが、双生竹は、県内では土岐町鶴城、同桜堂の2ヶ所で自生が確認されているのみです。しかし、いずれの自生地も近年は個体数が大幅に減少しています。
- 指定番号
- 岐天5
- 指定年月日
- 昭和31年3月28日
- 指定の別
- 県指定文化財
- 種別
- 記念物
- 類別
- 天然記念物
- 時代・年代
- 員数他
- 2箇所
- 所在地
- 瑞浪市土岐町2658番地・2659番地・5759番地・5862番地
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 個人ほか
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