三諦上人供養塔(さんたいしょうにんくようとう)
この供養塔は土岐町桜堂に所在する元天台宗の古刹、桜堂薬師(瑞桜山法妙寺)を開いた三諦上人のために造立したと伝えられる石塔で、本堂の東方約200メートルの山中にあり、三諦上人開山塔とも呼ばれます。
高さ1.4メートル、花崗岩製の層塔で、基礎の背面には「□□三年/十月五日奉□/三諦上人石塔/□□立之」の文字が彫られていたとされます。現在、年号部分の石材は欠け、文字の判読も困難となっていますが、江戸時代の記録には「開山石塔ニ元慶三年十月五日ト御座候」との記載があり、元慶3年(879年)の文字が彫られていたものとみられます。
三諦上人の出自等については明らかではありませんが、慈覚大師(円仁)の弟子であったとも、皇族出身であったともいわれる僧侶で、観音堂に残る位牌からその名が覚祐であることが知られます。
上人は、弘仁3年(812年)に桜堂薬師を開き、嵯峨天皇の病気平癒に功績があったために三諦の号を賜り、桜堂薬師も勅願寺となって七堂伽藍が整えられたといわれます。その後、元慶3年10月5日、馬に乗って奥之院(観音堂)へ参拝する途中突然馬上から姿を消し、二度と姿を現すことは無かったといいます。
なお、供養塔の造立時期については近年、室町時代ごろとする見解も示されています。
- 指定番号
- 岐史20
- 指定年月日
- 昭和31年6月22日
- 指定の別
- 県指定文化財
- 種別
- 記念物
- 類別
- 史跡
- 時代・年代
- 平安時代
- 員数他
- 1基
- 所在地
- 瑞浪市土岐町5760番地
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 個人
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