下山田八幡神社の陶製狛犬(しもやまだはちまんじんじゃのとうせいこまいぬ)
狛犬は獅子に似た動物の像で、神社の社殿の両脇などに守護や魔除けのために置かれます。通常は一対の像を向かい合わせ、向かって右に口を開いた「阿形」、左に口を閉じた「吽形」の像を置きます。平安時代には、口を開いた「獅子」、口を閉じて角がある「狛犬」というように両者を区別していましたが、現在は両者を狛犬と呼んでいます。
一般的には、願掛けや神への感謝を込めて信者や氏子により奉納され、現在目にする狛犬の多くは石で造られています。しかし、美濃や尾張では室町時代から陶製(焼き物)の狛犬が制作・奉納され、特に江戸時代以降は制作者や制作年を記した陶製狛犬が多くみられるようになります。
この陶製狛犬は、山田町下山田地区の八幡神社に伝来するもので、阿形像は高さ36.5センチメートル、吽形像は高さ25.8センチメートルです。両像とも粘土紐を積み上げて同部を成形し、その上に頭部をかぶせて台座の上に乗せ、脚と尾を張り付けているとみられます。台座の裏面を除いて全体に御深井釉が施されており、いずれも両耳が欠損していますが、その他は破損個所もなく、ほぼ制作当初の姿を保っています。
良蔵とも背面に「濃州土岐郡/八幡宮御宝前/宝永五年戌子年/霜月吉日」の刻銘があり、本像が宝永5年(1708年)に八幡神社に奉納されたことが知られます。制作者や場所については記されていませんが、胎土や釉薬から東濃地方で制作されたものと推測され、制作年代も上記の年代と判断できます。これは瑞浪市に残されている、奉納年代あるいは制作年代が明らかな陶製狛犬の中では最古のものです。
現在は明世町にある瑞浪市陶磁資料館に預けられ、一般に公開されています。
- 指定番号
- 瑞有第54号
- 指定年月日
- 平成28年10月31日
- 指定の別
- 市指定文化財
- 種別
- 有形文化財
- 類別
- 工芸品
- 時代・年代
- 宝永5年(1708年)
- 員数他
- 1対
- 所在地
- 瑞浪市山田町468 八幡神社
- 所有者・管理者または技術保持者
- 八幡神社
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