桜堂薬師舞楽面(さくらどうやくしぶがくめん)
舞楽とは、奈良時代から平安時代にかけて中国から伝来した舞(踊り)と音楽のことで、舞楽面はその舞に使用するお面です。
舞楽は平安時代以降、宮廷や神社・寺院などで広く行われるようになり、鎌倉時代頃から全国に広まっていき、各地で地域色豊かな舞楽面が制作されるようになりました。
この舞楽面は、土岐町櫻堂地区の桜堂薬師に伝わるもので、陵王(りょうおう)、抜頭(ばとう)、納曽利(なそり)の3面があります。
陵王は鎌倉時代から南北朝時代の制作で、当初全体に金箔が張られていたものに、後世の補修により黒漆が塗られたとみられます。本来、頭上には竜が乗せられますが、烏天狗のような姿に改変されています。
抜頭は鎌倉時代から南北朝時代の制作で、眉は黒漆、他は朱漆が塗られています。当初は頭部に髪をたくわえていたとみられますが、現在は失われて穴のみが残っています。この頭部の穴は意図的にふさがれており、後世に改変が加えられているようです。
納曽利は室町時代から江戸時代の制作で、全体に朱漆が塗られています。本来納曽利の面は緑色ないし青色ですが、この面は当初から朱色に造られた類例の少ない面です。
- 指定番号
- 岐重45
- 指定年月日
- 昭和32年12月19日
- 指定の別
- 県指定文化財
- 種別
- 重要有形文化財
- 類別
- 工芸品
- 時代・年代
- 鎌倉~江戸時代
- 員数他
- 3面
- 所在地
- 瑞浪市土岐町5728 桜堂薬師
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 桜堂区
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