宮前日吉神社の陶製神猿(みやまえひよしじんじゃのとうせいまさる)
狛犬は、神社の社殿の両脇などに守護や魔除けのために置かれますが、猿を神の使いと考える日吉神社では狛犬の代わりに狐の像が置かれることがあります。
美濃や尾張では江戸時代以降、制作者や制作年を記した陶製(焼き物)の狛犬が多く奉納されるようになりますが、宮前町の日吉神社に伝えられている一対の陶製神猿も、このような背景のもとで制作・奉納されたものとみられます。
高さは阿形41.3センチメートル、吽形38.2センチメートルで、全体に薄い鉄釉を施し、顔と耳の部分には赤色顔料で色が付けられていたものとみられます。阿形の背面には「奉寄進/山王宮/寺河戸村/小木曽定重良」、吽形の背面には「山王宮/文化八辛未八月廿一日」の文字が刻まれ、文化8年(1811年)に寄進されたことなどが知られます。また、阿形の底面には墨で「妻山半宗」と記されていますが、この点についての詳細は明らかでありません。
なお、日吉神社は慶長2年(1597年)に大津の日吉大社から分神を勧請して創建された寺河戸地区の産土神社です。
現在は明世町にある瑞浪市陶磁資料館に預けられ、一般に公開されています。
- 指定番号
- 瑞有45
- 指定年月日
- 平成17年3月31日
- 指定の別
- 市指定文化財
- 種別
- 有形文化財
- 類別
- 工芸品
- 時代・年代
- 文化8年(1811年)
- 員数他
- 1対
- 所在地
- 瑞浪市宮前町7327 日吉神社
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 日吉神社
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