美濃の地歌舞伎衣裳(みののじかぶきいしょう)

ページ番号1007624  更新日 令和4年5月10日

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写真:美濃の地歌舞伎衣裳

写真:美濃の地歌舞伎衣裳2

写真:美濃の地歌舞伎衣裳2

岐阜県は、全国でも有数の地歌舞伎の盛んなところで、明治20年代以降には県全域で隆盛し、現在も30を超える地歌舞伎保存団体が活動しています。県内各地には地歌舞伎の上演に際して衣裳やかつらを貸し出す貸衣裳屋が営まれ、単にこれらを貸し出すだけでなく、演目に合わせて衣裳の選択や着付け、床山なども務めました。
美濃の地歌舞伎衣裳は、美濃歌舞伎保存会が瑞浪市の安藤家、各務原市の大谷興業から譲り受けた衣裳の内の優品9点で、いずれも江戸時代末期から明治時代初期にかけて制作されたものです。安藤家は明治期の創業で、安藤末次郎が農業の傍ら衣裳屋を営み始め、その息子である為三郎と妻のすわ子が継承しました。下呂や長野方面に衣裳を貸し出していたようですが、昭和46年に廃業しました。また大谷興業は、各務原で芝居の指導をしていた関西系の役者、大谷友之助と広右衛門の兄弟が創業したもので、西濃地方をや富山県などにも衣装の貸し出しや指導をしていましたが、平成18年に廃業しました。
衣裳の構成は、勇壮な荒武者などの立ち回り役に使用される「四天(よてん)」、高い品格や教養をもった女性の衣装である「打掛(うちかけ)」、花魁の正装用の帯である「俎板帯(まないたおび)」、公家や高貴な武将の礼装である「小忌衣(おみごろも)」で、以下の内1から6は安藤家旧蔵品、7から9は大谷興業旧蔵品です。
1.黒天鵞絨地 竜虎文様四天(江戸末期に制作。昭和46年頃まで使用)
2.黒襦子地 竹に雀文様打掛(江戸末期に制作。昭和46年頃まで使用)
3.黒天鵞絨地 牡丹唐獅子文様打掛(江戸末期に制作。昭和46年頃まで使用)
4.黒天鵞絨地 大蛇文様四天(江戸末期に制作。昭和46年頃まで使用)
5.黒襦子地 雲に竜文様俎板帯(江戸末期に制作。昭和46年頃まで使用)
6.黒繻子地 波に瑞雲・鳳凰文様小忌衣(江戸末期に制作。昭和46年頃まで使用)
7.黒天鵞絨地 竜門に竜乗り貴人文様打掛(明治初期に制作。昭和30年から平成17年頃まで使用)
8.黒繻子地 竹に雀文様打掛(明治初期に制作。昭和30年から平成17年頃まで使用)
9.黒天鵞絨地 鷹に波・松文様四天(明治初期に制作。昭和30年から平成17年頃まで使用)

指定番号
県重有民第48号
指定年月日
平成30年12月21日
指定の別
県指定文化財
種別
重要有形民俗文化財
類目
衣裳
時代・年代
江戸から明治時代
員数他
9点
所在地
瑞浪市明世町戸狩331
所有者・管理者または技術保持者
美濃歌舞伎保存会

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