のぞきからくりの看板絵と中ネタ(のぞきからくりのかんばんえとなかねた)
のぞきからくりは、レンズ付の「のぞき穴」を備えた箱の中に物語仕立てにした複数の絵を仕掛けておき、口上の話(ストーリー)に合わせて絵が入れ替わっていく、いわば立体的な紙芝居のような見世物芸能です。
その起源は江戸時代といわれ、明治時代に発達・完成し、大正時代から昭和時代初期には20個ほどののぞき穴を備えたものが現れました。祭礼や縁日などの際に上演され、娯楽として大衆に親しまれましたが、映画の登場・普及により昭和30年頃に姿を消していきました。
のぞきからくりを上演する際には、舞台装置である屋台、屋台の上部に取り付ける看板絵、そして箱の中に仕掛ける絵(中ネタ)が用いられます。残念ながら当市に屋台は残されていませんが、忠臣蔵を題材とした看板絵4枚と中ネタ6枚が保管されています。
看板絵は中央に配される観音、その上部に配されるアオリ、両側に配される両袖がセットで残されており、いずれも押絵と呼ばれる技法で制作されています。看板の隅に残された文字から、姫路市の工芸家であった宮澤由雄(昭和19年没・74歳)により制作されたことが知られ、制作年代は昭和時代初期とみられます。
なお、現在は明世町戸狩のミュージアム中仙道で保管されています。
- 指定番号
- 瑞民有3
- 指定年月日
- 平成26年1月21日
- 指定の別
- 市指定文化財
- 種別
- 民俗文化財
- 類別
- 民俗資料
- 時代・年代
- 昭和時代
- 員数他
- 10枚
- 所在地
- 瑞浪市日吉町8004番地の25
- 所有者・管理者又は技術保持者
- 日吉ハイランド倶楽部
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