パレオパラドキシアのクリーニングと産状レプリカ制作

ページ番号1008456  更新日 令和5年9月9日

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パレオパラドキシアのクリーニング

パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
パレオパラドキシアクリーニング途中(2022年9月13日)の状態

2022年(令和4年)6月に発掘されたパレオパラドキシアの骨格化石のクリーニングの様子を紹介します。

パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
クリーニング作業が始まった頃の様子です。ほとんどの部位が岩石中に埋没していました(7月1日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
クリーニング作業の様子です。エアーカッターという機械を使う場合もありますが、写真のようにデザインナイフを使って細かい部分を削る場合もあります(7月9日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
整然と並んだ肋骨が現れたました。左部分の肋骨は、背骨につながっていました(7月13日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
頭骨の周りのクリーニングを進めていくと、黒光りする歯があらわれました(7月14日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
頭骨も含め、少しずつどの部位がどこにあるのか明らかになってきました(7月17日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
さらにクリーニングが進行し、多くの骨が現れました。現れた部位に補強のためのパラロイドを塗る作業を行いました(8月18日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
産状標本ができあがりました(10月13日)。これでレプリカ制作のためのクリーニング作業は一時中断です。この後は、各骨を取り出す作業に入ります。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
首の周りをクリーニングしている様子です(10月18日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
整然と並んだ肋骨を1本ずつ取り外す作業です(12月7日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
取り外した骨は顕微鏡を用いて、慎重に表面に付着した岩石を削り取っていきます(12月14日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
パレオパラドキシアの胸のあたりにある板状の骨のクリーニングです(12月16日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
頭骨を母岩から取り外す直前です。頭骨だけで重さ50キロにもなるため、2人がかりで作業を行いました(2023年2月9日)。
パレオパラドキシアクリーニング途中の画像
頭骨を取り出した直後の様子です。頭骨を壊すことなくきれいに取り出すことに成功しました(2月9日)。
パレオパラドキシア頭骨クリーニング途中の画像
母岩より取り外した頭骨を室内に持ち込み、クリーニングを行っています。作業が進み黒光りする左にある歯が出現しました(2月17日)。
パレオパラドキシア頭骨クリーニング途中の画像
頭骨左に生えている歯のクリーニングが完了しました。しかし、まだ頭の周りは多くの岩石でおおわれており、3月末現在もクリーニング作業が続いています(3月31日)。
背骨クリーニング
クリーニング作業が進み、岩石に残された骨はついに背骨のみとなりました。今後つながった状態の背骨を取り外す作業に入りますが、つながった部分が壊れないよう、慎重に周りを削っていきます(4月15日)。
パレオパラドキシアの肋骨
パレオパラドキシア右肋骨のほぼすべてのクリーニングが完了し、29日より展示しています。肋骨は、似たような形をしているため、記録しなければ順番がわからなくなります。そのため肋骨1本1本にはロットリングペンで番号を付けることにしました(4月30日)。
パレオパラドキシア背骨取り外し
岩塊に最後まで残されていた背骨の取り外しに成功しました。今後取り外した背骨の周りに付着した岩石を取り外していきます(5月15日)。
パレオパラドキシア背骨クリーニング
背骨のクリーニングは順調に進み、背中側を覆っていた岩石を取り除きました。まだ、作業中ですが、見事な突起の列があらわれました。また、背骨についていた左肋骨も取り外しにかかりました(7月14日)。
パレオパラドキシア頭骨クリーニングと期間限定公開
8月より頭骨のクリーニングを再開しました。眼窩(目の入るくぼみ)につまった岩石などを取り除いていきます。8月末の時点で頭骨のクリーニングを一旦中断し、9月16日から10月22日まで期間限定で展示公開することとしました(9月15日)。

クリーニング動画公開中

パレオパラドキシアクリーニングやレプリカ制作の様子はyoutubeにて公開中です。ぜひご覧ください。

パレオパラドキシア産状レプリカ制作

パレオパラドキシア産状レプリカ

クリーニング作業を進め、骨の大部分が岩石に埋没した状態が明らかになった状態でレプリカを制作しました。骨が岩石にどのように埋没しているのかを保存する「産状レプリカ」となります。クリーニング作業を進めるとこの状態に戻すことはできないため、産状レプリカは骨の埋没状況を記録するための貴重な学術資料となります。 なお、レプリカは2023年(令和5年)5月4日に公開する予定です(3月31日)。

レプリカ制作の様子
産状レプリカ制作の様子を紹介します。実物の骨からレプリカを作るため、シリコンで型取りを行います。しかし、シリコンを直接骨にかけると骨から外すことが難しくなるため、シリコンをかける前にスズの薄い箔を全体に貼り付けます。貼り付けが終わった骨は銀色に輝きました(10月19日)。
レプリカ制作の様子
スズの箔を貼り付けたのちは、シリコンゴムのもととなる液体をかけて、それが固まった後に骨から外します。写真はその作業の様子で、骨を壊さないように指を骨とシリコンゴムの間にいれて慎重に型を骨から外しています(10月29日)。
レプリカ制作の様子
型取り完了後は、型にガラス繊維や強化樹脂を流し込み、それが固まるとレプリカ本体が完成します。その後は実物の化石を見ながら彩色作業を行い、完成となります(12月7日)。

日本古生物学会誌の表紙を飾る

化石表紙

パレオパラドキシアクリーニング途中の骨格の写真が、2023年3月31日に出版された日本古生物学会誌「化石」第113号の表紙を飾りました。裏表紙には、発掘の様子などの写真も掲載されています。また、パレオパラドキシア発見や発掘、クリーニング途中の状況、産状図をまとめた記事が同号の口絵に掲載されました。表紙、裏表紙、口絵ともにJ-stageのサイトで閲覧可能です。詳しくは下記リンクをご覧ください。

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