化石をくわしく見てみよう~見つかった化石のマメ知識~
化石の見どころ
歯に注目
この化石の一番の見どころは、歯の多くがアゴに残されている点です。なぜなら、一般的に動物が死ぬとその歯は抜け落ちてしまうことが多く、歯がない状態で頭の化石が見つかる場合が多いからです。鰭脚類には、臼歯が6本生えていますが、この頭の化石には左に6本中4本、右に6本中3本の臼歯が歯槽に立った状態で発見されました。また、りっぱな犬歯もきれいに保存されており、歯の保存状態からもほぼ完全な頭の化石といえます。
なお、上の写真の赤枠は、次章に示す歯の拡大部分を示します。
歯の拡大
歯をくわしく見てみましょう。切歯、犬歯の後ろに前臼歯、臼歯が生えています。第1前臼歯と第2臼歯は抜け落ちています。前臼歯がナイフの形をしているのに対し、臼歯は丸みをもった平たい形をしています。これは、鰭脚類の祖先が陸上で生活していた時の名残を示すものです。
鰭脚類のマメ知識
アシカやセイウチの祖先は、陸上で生活していたイタチの仲間だったと考えられます。今から約3000万年前に海に進出していったと考えられています。
一般的に、アシカやセイウチには、前から切歯、犬歯が生えており、その後ろに4本の前臼歯、その後ろに2本の臼歯が生えています。
今までに判明したミズナミムカシアシカ(仮)のヒミツ
オスの成獣だった
頭の化石をくわしく観察したところ、多くの部位が付着しあっていることから成獣(人間でいうと20歳以上)であることが判明しました。
また、頭全体の大きさに対する犬歯の大きさの割合が大きいこと、脳が入っていた部分の骨の表面のしわが多いことからオスである可能性が高いと考えられます。
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